ごはんはたんぱく質源でもある。お弁当のおかずに主菜が1割でいい理由
こんにちは、管理栄養士の奥田千晶です。
新型コロナウイルスの影響で外食がしづらくなりましたね。
飲食店が休業していたり、1人で黙食するくらいなら、いっそのことお弁当にして気楽に食べたいですね。
数回にわたり、栄養バランスをととのえるお弁当の作りかたをご紹介しています。まだ続くの?!って思いました?
毎回読んでくれてありがとうございます。今回でラストです。
栄養価計算もしなくても、食材の計量をしなくても、
栄養バランスがととのうコツは、主食:主菜:副菜=3:1:2 の割合でおかずを詰めていくことでしたね。
「主菜少なくない?」「たんぱく質はこれで足りるの?」と不思議に思ったかもしれません。
■ごはんは、たんぱく質源でもある
主食:主菜:副菜=3:1:2のうち、主菜が「1」でいい理由は、
ごはんがたんぱく質源にもなっているからです。
最新版の日本食品成分表2020年版(八訂)によると、お米にはたんぱく質が6%含まれていることがわかっています。
水を加えて炊いたごはんは、女性用のお茶椀1杯150g。
このうち6%がたんぱく質ということは、ごはん1杯のたんぱく質量は9gになります。1日3食ごはんを食べると27gのたんぱく質がとれます。
たんぱく質9gとか27gといわれてもわかりにくいですね!
比較してみましょう。
<たんぱく質量>
納豆1パック(40g):6.6g
鮭1切 (100g):19.6g
鶏むね肉(100g):19.5g
お茶碗1杯のごはんを食べると納豆1パック以上のたんぱく質がとれ、
1日3食食べると鮭や鶏むね肉以上のたんぱく質がとれるんです。
ごはんは、たんぱく質源でもあるんですよ。
■たんぱく質は大切、だけど・・・
たんぱく質には、エネルギーが十分にないと効率よく利用できないという性質があります。専門用語でたんぱく質利用効率といいます。
一生懸命たんぱく質だけとっても、エネルギーがないとお肌や筋肉にはなれずに身体の外へ排出されてしまうんです。エネルギーはとり過ぎたら太ると思われがちですが、エネルギーって実はめちゃめちゃ大事なんですよ。
ごはんを食べていればたんぱく質もとれるし、
大事なエネルギーもとれるしということで、
主食:主菜:副菜=3:1:2のうち、主菜は「1」で、主食は「3」と主食に重きが置かれているんです。
■たんぱく質もとり過ぎると腎臓の負担になる
不安を煽るような小見出しでごめんなさい。
「たんぱく質はこれで足りるの?」っていう不安を吹き飛ばしたいだけなんです。
少しだけ、生化学のお話をしましょう。
たんぱく質は体内の消化酵素で分解されると窒素が生成されます。
窒素は尿として排出されるのですが、このとき腎臓を働かせています。
たんぱく質をとり過ぎると、腎臓を酷使することになるんですね。
腎臓病の方の食事は、たんぱく質を制限します。目的は腎臓に負担をかけさせないためです。それだけ、たんぱく質を代謝するのに腎臓を使います。
たんぱく質はお肌や筋肉の元になるので大事ではあるけれど、ごはんをしっかり食べていれば主菜は少なくても大丈夫ですよ。
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CHIAKI OKUDA
管理栄養士
大手食品メーカーで研究開発、飲食店向けのプロモーション企画提案営業、 スーパーマーケットのPB商品開発、生産者のブランディング・動画マーケティングを経て、独立。分かりやすく伝えることを得意とし、明日からできる、がんばらないで美容と健康をキープできる方法が人気。私生活では1児の母。