FASHION

vol.11 『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』を訪れて

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東京都現代美術館で開催されている『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』へ足を運びました。

いきなり脱線します。昼頃です。美術館の近くに南インド料理屋があり、初めて立ち寄りました。ナンディニという店です。入店と同時に、満席。オススメを訊いたら「ビリヤニ、ビリヤニ」と言われたのでビリヤニを頼みました(本当はミールスが食べたかったのですが、オススメを訊いたらそれを頼む、という自分ルールが邪魔を)。南インド料理って「食べたいなぁ」と思う頻度は高い割に、自分の活動範囲に店が少ない。また清澄白河へ来た時には食べにこよう、と思いました。

本筋に戻します。東京都現代美術館で開催されている『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』へ足を運びました(再掲)。書きたい事は山ほどあるのですが、この記事では現在のDiorのクリエイティブ・ディレクターであるMaria Grazia Chiuriと彼女のクリエイションについて書きたいと思います(1946年創立のメゾンですが、初めての女性デザイナーです)。

Maria Grazia Chiuriは、2017年春夏コレクションでデビューし、サドルバッグの復活や、ブックトート、”J’ADIOR”の発表など、アイコンとなるヒットアイテムを数多く展開しています。

Christian Diorは占いに傾倒していた、と公式HPに記載がありますが、Maria Grazia Chiuriの太陽星座(自己表現を表す)は水瓶座で、美しさや愛情にまつわる金星星座は魚座で、Christian Diorと一緒です。

僕は、この象徴の連鎖がとても好きです。ここからは、なんのリファレンスもない勝手な空想です(しかも、偉そうな文章になってしまうのですが……)。

Christian Diorが感じていた神秘的な予感と、その衝動の方向性と共にあったであろうファッションデザイン(後のメゾンのコードとなるもの)を、Maria Grazia Chiuriが解釈を膨らませて一層ロマンティックに創り出しているように感じます。それは、モチーフそのものへの共感以上の、“精神性の結びつき“と言い切りたくなります(実際にタロットや占星術などもテーマとして扱われています)。

この神秘性へのアンテナは、動植物の捉え方にも影響しているように思えます。Maria Grazia Chiuriが選ぶ花のモチーフからは、自然への繊細なまなざしが感じ取れます——例えば、ドレスに施された花の刺繍では、枝や葉まで行き渡る“生きた“様子。それを見ると「あぁ〜、花柄かわいいな」以上の感想が湧き上がってきます。知的で、幻想的で、自分のまなざしで世界を見ることへの興味やよろこびを掻き立ててくれるデザインだと思います。

書き足りませんが、大体800字と言われているので、この辺で(1100文字)。

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YASUTAKA OCHI

Flolist

Instagram : ochiyasutaka

1989年生まれ。表参道ヒルズでフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR」、東京ミッドタウンのイセタンサローネで「ISdF」営みながら、花や写真、文章を主軸に様々な表現活動を行なっている。店頭小売のほか、イベントや広告などの装飾も行う。