LIFE STYLE

Vol.5 チューリップ

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チューリップの香りを知っていますか? ——いつもとは違う切り口で始めてみました。

チューリップって、意外と香りがあるんです。花らしいと言えば花らしく、それでいてどこか野菜のような青さもある。香水になる「いい香り!」という印象は無いけれど、ささやかな春らしさを呼びおこす。

並んだ、並んだ、でお馴染みで、小さな子供に「花、描いて」とお願いしたら、十中八九、チューリップを描いてくれると思います(しかも茎と葉っぱつきの!)。それくらいお馴染み度の高い花ですが、現在は、花びらがたくさんある八重咲きタイプのものや、先がギザギザと細かく尖っているようなもの、色合いが複雑なコンビネーションになっているものなど、確認されているものだけでも6500種類以上あります(びっくり)。あまり興味がない人から見ると、だいたい似ているんだけれど、好きな人から見ると、些細な違いが大きな違いだったりします。

友人と買い物に行くと、手に持ったものをよく「それもう持ってない?」と言われます。特に靴。スニーカーも革靴もサンダルも何もかも、黒しか履かない。それゆえに「持ってるでしょ。めっ」と言われがちなのですが当人からすれば、ぜんぜん違うよぉ、という気持ちです(黙って買わせてほしい)。
靴は、何足あってもいい。JUJUさんも、良い靴は良い所へ連れて行ってくれる、と言っていました。——20cmヒールで熱唱。
靴ひとつで全体の印象が、がらりと変わる。お洒落は足元からとは、よく言ったものです。

靴は日常を強力にサポートしてくれるアイテムなので、惜しみなく買います。
花も、ささやかに日常(気持ち)をサポートしてくれるので、これを機に仕事の帰りがけにでもチューリップを数本、ぜひ。
玄関先のような涼しくて日差しの当たらない場所に飾ると、とても長持ちします。
毎日寒いけれど、ちょっと飾っているだけで、圧倒的に”春”を感じることができます。

〜fin〜

 

シューズ:LUCENTI

 

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YASUTAKA OCHI

Flolist

Instagram : ochiyasutaka

1989年生まれ。表参道ヒルズでフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR」、東京ミッドタウンのイセタンサローネで「ISdF」営みながら、花や写真、文章を主軸に様々な表現活動を行なっている。店頭小売のほか、イベントや広告などの装飾も行う。