1月11日は鏡開きの日、お雑煮を食べて1年の無病息災と開運を願おう!
こんにちは、管理栄養士の奥田千晶です。
「お餅ならお正月にたらふく食べましたよ」という方も多いかもしれませんね。
お正月にお餅を食べるのは遡ること平安時代、宮中で行われた「歯固めの儀」に由来しているといわれています。当時から、1年の初めに固いものを食べることで歯をじょうぶにし、一年の健康を願ってきました。
そして、お餅はハレの日に神さまにお供えする神聖な食べものであり、供えられたお餅には神さまのパワーが宿るとされ、鏡餅を食べることでそのパワーを分けていただくという意味が込められています。
ご先祖様から受け継がれてきた文化の背景を知り、お餅を食べたくなりましたかね?どんどん食べて、2021年をパワーアップしていきましょう!
・地域によって異なる鏡開きの日
一般的に鏡開きは1月11日に行われます。地域によって異なり、京都では1月4日、その他の地域でも15日または20日とされる場合もあります。お住まいの地域での鏡開きはいつなのか?日程のご確認をお願いいたします。
さて、お餅で盛り上がる鉄板ネタといえば、ご当地お雑煮!
私は関西出身で就職を機に首都圏に住んでいますが、東京版お雑煮と出会ってびっくりしました。それまで食べてきたお雑煮とは全く別物だったんですよね。
首都圏には私のように地方から出てこられた方も多く、友人知人のふるさとのお雑煮話を聞くことが年明けの楽しみの1つです。
丸餅or角餅?
焼くor煮る?
味噌ベースorすまし汁or小豆ベース?
具材には何を入れる?
お雑煮1つでも全国区で見るとたくさんのバリエーションがあるんですよね。知るほどに一辺倒だったお雑煮に変化ができ、飽きずにおいしく食べています。
鏡開きのお餅を最後までおいしく楽しく食べるために、風味の変化が大きく、それでいて比較的手に入りやすい具材のお雑煮をご紹介しますね。
・大阪版お雑煮
大阪版のお雑煮のベースは白味噌です。お餅は丸餅で焼かずに煮ます。
具材には、にんじん、だいこん、里芋が入ることが多く、これらの具材もなるべく丸く切り、“物事を丸く収める”“家族円満”の意が込められています。
私は兵庫県出身ですが、生まれ育ちが大阪の父の影響で、実家でお雑煮といえばこちらのタイプでした。兵庫県の一般的なお雑煮は、すまし汁で丸餅を焼きます。そして、具材には名物の焼き穴子が入ります。母方の祖父母を訪ねると兵庫の一般的なお雑煮が出てくるのですが、穴子から出るお出汁でなんとも上品になるんですよね。
・東京版お雑煮
東京版お雑煮は醤油ベースのすまし汁です。お餅は角餅で焼きます。
具材には青菜と鶏肉が入るのがポイント!ただし、同じ東京でも里芋や大根が入り、鶏肉が入らない地域もあります。東京にはいろんな地域の方が集まるので、具材も多様化しているのかもしれないですね。
・山陰版お雑煮
鳥取県や島根県など山陰地域では、甘いぜんざいをお雑煮として食べられています。丸餅を焼き、砂糖だけでなく塩を少し加えることで甘みを引き立たせた小豆ベースです。小豆は邪気を払うともいわれており、四国ではあんこが入ったお餅のお雑煮を食べる地域もありますよ。
・縁起のいいお餅に太ることを気にするのはもったいない
本当のことをいいますと、今回のコラムでは太らないお餅の食べ方のようなダイエットの内容を書こうかしらと考えていました。ですが、お正月とお餅、鏡開きなど日本の伝統文化の背景を知れば知るほど書けなくなってしまいました。
お餅は太るのか?
食べ過ぎたら太るかもしれませんね。でも、お餅を食べて太るということは、神さまのパワーをそれだけ多く分けていただいたと考えられますよね。
お正月くらい、鏡開きくらい、いいじゃないですか。お祝い事が全て終わり、いつもの日常の食生活に戻ってからダイエットのことを考えるのでも全くもって遅くはないですよ。
CHIAKI OKUDA
管理栄養士
大手食品メーカーで研究開発、飲食店向けのプロモーション企画提案営業、 スーパーマーケットのPB商品開発、生産者のブランディング・動画マーケティングを経て、独立。分かりやすく伝えることを得意とし、明日からできる、がんばらないで美容と健康をキープできる方法が人気。私生活では1児の母。