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太らないお酒の飲み方

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こんにちは、管理栄養士の奥田千晶です。

11月に入りました。これから年末年始にかけてクリスマス、大晦日、お正月などのイベントでお酒を飲む機会も多くなるのではないでしょうか?

ぽっこりお腹のことをビール腹と呼ぶこともあり、“お酒は太る”というイメージがあるかもしれませんが、お酒そのものよりもおつまみに原因があるんですよ。

そこで今回は、太らないお酒の飲み方を解説します。

■ダイエットのためにお酒をやめる必要はない

お酒にはカロリーがありますが、アルコールそのもののカロリーと麦芽や米などの原料由来のカロリーとでは、体内に入った後の代謝がまったく異なっています。

アルコールのカロリーは、お酒の強さに関係なく、一部は汗や尿、呼気とともに排出され、カロリー源としては体内に残らないことがわかっています。アルコールと肥満との因果関係を調べた研究でも、両者に関係ないと結論が得られているくらいです。

つまりお酒のカロリーは、アルコール分を差し引いて考えればよく、ウイスキーや焼酎はアルコール以外の成分をほとんど含まないため、体内に残るカロリーはほとんどゼロと考えられますし、ビールのレギュラー缶(350ml)1缶約140kcalでは50kcal程度。日本酒1合はアルコール分を除くと、約50kcalになります。

お酒を飲んで太ったとすれば、おつまみとして食べた食事が原因と考える方が自然ですね。

■お酒を飲むと太りやすい状態になる

アルコールの代謝では酵素やエネルギーが使われていて、この酵素やエネルギーを使う際にはビタミンが使われています。

お酒を飲まない時であれば、おつまみを代謝するために使われていたビタミンがアルコールを代謝するために使われてしまうので、アルコールを飲む時は、一緒に食べるときのおつまみが代謝されずに、脂肪として蓄えられやすくなっている状態と考えられます。

■お酒を飲む時にとりたい食材

アルコールの代謝で使われるビタミンは、ビタミンB1とナイアシンです。ビタミンB1とナイアシンはアルコールの代謝以外にも、糖質や脂質代謝にも関わっています。

クラッカー、チーズ、アヒージョ、生ハム、揚げ物etc…一緒に食べるおつまみをイメージすると糖質や脂質を含んでいますね。お酒を飲んでもおつまみの分まできちんと代謝すべく、ビタミンB1やナイアシンを含む食材も食べておきたいところです。

<代表的な食材>

ビタミンB1:ごま、大豆、豚肉、のり
ナイアシン:落花生、えのきたけ、なめこ、エリンギ、ほんしめじ

ごま和えやおひたし小鉢1つ分くらいを、最初に食べるといいですよ。その後は好きなものを食べて、最後に味噌汁を飲むことがおすすめです。

最後に味噌汁をおすすめする理由は2つあって、1つは味噌はビタミンB1を豊富に含む大豆からできていること、もう1つはほどよく塩分を含んでいるからです。

お酒を飲んでいて、しょっぱいものが欲しくなることはありませんか?〆のラーメンも美味しいですが、チーズやから揚げなど脂っこいものをたくさん食べた後に〆ラーメンは、たまになら問題はなくても、続くと太ってしまうんですよね。

味噌汁を飲めばしょっぱいものへの欲求は治りますし、きのこやのりなどの具材が入っていたらナイアシンもとれてしまいます。〆の味噌汁、かなりおすすめですよ。

年末年始にかけてお酒を飲む機会が多い方は、ぜひおつまみを味方につけてくださいね。

【参考】
厚生労働省HPより
・なぜ人は太るのか?肥満を科学する (著)岡田正彦

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CHIAKI OKUDA

管理栄養士

blog : 管理栄養士 奥田千晶の食美容

大手食品メーカーで研究開発、飲食店向けのプロモーション企画提案営業、 スーパーマーケットのPB商品開発、生産者のブランディング・動画マーケティングを経て、独立。分かりやすく伝えることを得意とし、明日からできる、がんばらないで美容と健康をキープできる方法が人気。私生活では1児の母。