食べても太らないカロリーバランス(前編)
こんにちは!管理栄養士の奥田千晶です。
ファッションも好きだし、食べることも大好き!なんだったら、おしゃれをして美味しいものを食べに行きたい!そんな願いが叶うような内容をお届けします。
前回のコラムでは、食事をする時に気になるカロリーについて、“カロリーの大小だけが太るのではないので、カロリーが大きいというだけで食べる物をガマンしなくても良い!”と書きました。カロリーの大小が太る原因ではないとするなら一体何を意識したら良いのか・・・?それを紐解くカロリーの中身を見ていきましょう。
カロリー、カロリーと言っていますが、カロリーとはエネルギーの単位を言います。ですので、ここからはカロリーをエネルギーと言い換えて進めていきますね。
栄養素や栄養成分というと、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどをイメージすると思いますが、この中でエネルギーとなるのは炭水化物、たんぱく質、脂質の3つになります。
前回のコラムでも見た日本人1人1日あたりのエネルギー量の推移のエネルギーの中身を見ると、エネルギーを生み出す栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質の内訳が分かります。
分かりやすいように脂質をポイントとしてグラフに書いていますが、ポイントは炭水化物が減少し、脂質の割合が増えている点です(たんぱく質は横ばいです。)。この食事全体の脂質の割合が高くなってきているという点が、エネルギーは摂り過ぎている訳ではないにも関わらず、太ったりやせづらくなっている要因なんですね。
だったら、脂質を減らせばいいんだ!と思いませんでしたか?
確かに食事から脂肪分を減らせば食事全体の脂質の割合は減りますが、脂質はホルモンや細胞膜の材料となる大切な栄養素です。 摂らなさ過ぎるとそれはそれで女性ホルモンの分泌に影響したり、血管が破れやすくなったりと、美容や健康の面にリスクを伴います。
さらに、脂質を減らせばいいんだ!と脂質を減らすとなると、どんな食事になるでしょう?
揚げ物だったり、バターや油を比較的多く使うようなジャンルのイタリアンやフレンチや中華料理、甘いスイーツも食べられなくなってしまいます。食事を作ることを考えた場合でも、調理法が限られ、作るにも食べるにもマンネリ化してきます。
食べることが好きな方にとって、食べられるものの範囲が狭まってしまうのは寂しい気持ちになりますね。食事全体の脂質の割合を下げる方法として、脂質を減らすことも手段の1つではありますが、食べることが大好きな方への私からのおすすめは、「炭水化物の量を増やすこと」です。
揚げ物でもイタリアンでもフレンチでも中華でも、時にはスイーツを楽しんだとしても、食事中の炭水化物の割合が増えれば、全体としての脂質の割合は下げることができます。
具体な食事としては、例えば飲みに行った場合、居酒屋であれば〆を食べる、イタリアンやフレンチの際にはリゾットなどごはんものを注文する、焼肉に行ったらライスを注文する、バイキングやビュッフェの時や前後の食事でサラダだけ!豆腐だけ!などおかずオンリーにせず主食(ごはん、パン、麺)も食べる、少なめにしていたごはんや麺類を普通盛りにする。
ほんの少しの主食を増やす心掛けで、食事全体としてのエネルギーバランスは整ってきます。できるところからやってみてくださいね。
<今日の振り返りポイント>
◯エネルギー(カロリー)の大小より中身が大事!
◯脂質を減らす発想は美容と健康のリスクを伴う。そして何より楽しくない!
◎食事全体のバランスを整えるには、炭水化物の量が鍵!
CHIAKI OKUDA
管理栄養士
大手食品メーカーで研究開発、飲食店向けのプロモーション企画提案営業、 スーパーマーケットのPB商品開発、生産者のブランディング・動画マーケティングを経て、独立。分かりやすく伝えることを得意とし、明日からできる、がんばらないで美容と健康をキープできる方法が人気。私生活では1児の母。