vol.12 花咲く人力車
去年に引き続き、今年もJR東海の『そうだ 京都、行こう』の”花咲く京都”という企画で監修をしています(宣伝記事ではないです)。
第一弾は”花咲く人力車”。ゑびす屋さんとコラボレーションした花柄の人力車を制作しました! なんと限定2台のみ。ラッキータクシーよろしく、ラッキー人力車です(どうしても宣伝みたいになってしまうけれど、宣伝じゃないです((二度))。いつも装飾をするときは、一回絵に起こしてみたり、ミニチュア版を作ってみたり、パソコンでやればすぐだけれど手作業を挟みます。そうするとイメージが膨らんでたのしくなります。
少し話が飛ぶのですが、みんなコーディネートを考えるときって、頭で考えているのでしょうか?
洋服を買いに行ったり、今ならオンラインショッピングするときとか、持ち前の服に合うかなぁ、なんて。
突拍子もない服を買うことが多いからか「これ買って、あれと合わせよう!」という想像がうまくいった試しがありません……。実際に合わせてみないとわからないというか、手作業手探り感覚(脱線終わり)。
DILIGENCE PARLOURという花屋を表参道ヒルズで運営しています。そこではフラワークリアバッグという取手付きのビニールに花束が入っているパッケージを展開しています。ありがたいことに毎日たくさんの方がご利用くださって、表参道付近ではフラワークリアバッグを持って歩いている方同士がすれ違う、なんていう光景も見られます(嬉しい)。
こういうときに、大袈裟に言うと”景色をつくっている”感覚が訪れてニヤニヤしてしまう。去年、京都にある社寺を4ヶ所ほど装飾しました。花の間、と言う企画で室内にわんさと造花を飾るものでした。4ヶ所目の随心院という社寺へ、会期中に訪れる機会があってふいに立ち寄ったら、ご覧になっている方々が驚くほどいらして、それも、老若男女さまざまに、みんなデジカメやスマホやガラケーなどなどで撮影しながら「わぁ」とか「へえぇ」とか感想に近い何かを漏らしていて、泣いてしまいそうになりました。人含め、これもまた景色なのかな、と感慨に耽るなどし……。
花屋の仕事は、どちらかというと贈り主と関わるばかりなので(もちろん、そこで素敵な感想をいただけることもあるのですが!)、こうやって最終着地地点というか、そういった場所で、おまけに制作者がいると気づかれていない状態でこういったダイレクトな感想に直面できて、驚いてしまったのですね。陰で褒められているところを偶然に聞いてしまったような、妙な気恥ずかしさがありました。
そんなわけで、今年も関われて嬉しい企画がスタートしました。京都にお出かけの際は是非、この花柄の人力車を探してみてください。さらには是非、乗ってみてください(人力車自体、自分も乗ったことがないのですが……)。車夫さんが引いているところ早く見てみたい。
風景のようなものをつくれると嬉しい! という話を書こうと思ったのですが、読み直すとやっぱり宣伝にしか思えない内容になってしまいました。
〜やや自慢を添えて〜
YASUTAKA OCHI
Flolist
1989年生まれ。表参道ヒルズでフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR」、東京ミッドタウンのイセタンサローネで「ISdF」営みながら、花や写真、文章を主軸に様々な表現活動を行なっている。店頭小売のほか、イベントや広告などの装飾も行う。