FASHION

SPECIAL INTERVIEW GUEST : Mochizuki Ritsuko

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「RED CARD TOKYO」のオフィシャルサイトで公開中(全10回連載予定)のスペシャルコンテンツ「30 stories of New Authentic Denim」に出演されている方々にインタビューしました。


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Jeans :
RED CARD TOKYO

30th Anniversary HR #akira-Deep Dark

望月律子さん @ritsukomochizuki
ファッションスタイリストとして20年現役活動中。小学館 Precious、集英社 eclat、WEB マガジン mi-mollet、ブランド広告、トークイベント出演やスタイリングイベントなども精力的に取り組む。
著書「望月律子のSTYLING THEORY」がある。
2021年10月よりプライベートレンタルサロン「Allons-y(アロンジィ)」の運営もスタート

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Jeans :
RED CARD TOKYO

30th Anniversary HR #akira-Fine Mid


1. いまのお仕事をすることになったきっかけを教えてください。

私、特に夢のない子供だったので(笑)、中学校を卒業する時点で、高校卒業したら就職して結婚して子供を産んで…と。ただ周りからは一旦好きなことをやってみてから決めてもいいんじゃないかと言われて、自分としては洋服とスポーツが好きだったので、どちらかに関わりたいなと。

そんな中ファッション系の学校に見学に行ったらすごく面白そうだったので、1年間だけ通ってみてもいいかなくらいのスタンスで通い始めました。
特にドラマティックな人生を歩みたい人間でもなかったので、まさか後に書籍(『望月律子のBASIC THEORY』)を出したりなんて想像もしていなかった(笑)。とにかく服が好きなことだけが嵩じて、今に至るという感じです。望月律子/RITUKO MOCHIZUKI/もちずきりつこ/モチズキリツコ/REDCARDTOKYO/30thAnniversary/レッドカード/テーパードデニム/定番モデル/着回し
24歳くらいで独立していろいろなお仕事を経験する中で、ブランドのイベントに出演してお客様に30分~1時間ほどスタイリングアドバイスをさせていいただく機会があったのですが、本当に衝撃的だったんです。雑誌の仕事だと顔の見えない方々に向けて発信するので、実際にどういう人がどんな気持ちで買ってくれて、そこに対してどう反応してくれたのかっていうのが分からないままで。

ただそのイベントで、私がその場でスタイリング提案したものをお客様が着て、顔がぱっと明るくなるのを目の当たりにしたときに、「わあ!ファッションっていいな!」って心から思ったんです。おしゃれが気持ちを豊かにしてくれる瞬間を直に感じることができた。いつか、そういうファッションの力を自分の世界観の中で形にしていけたらいいなと思っていました。

半面、スタイリストの仕事もいそがしかったので、ずっとモヤモヤしていて。そのうちに、長年かかわらせてもらった雑誌『Oggi』を自分で卒業宣言して、卒業したんです。そこにずっと立ち止まっていてはだめかな、みたいな気持ちがあって。

望月律子/RITUKO MOCHIZUKI/もちづきりつこ/モチヅキリツコ/Allonsy/アロンジィ
そんなとき、たまたま衣料品のレンタルサービスを利用している方々のお話を聞く機会があって、面白そうだなと。洋服が無駄にならないのもいいと思いました。デイリーの洋服はいろいろ買って、チャレンジしてもらえばいいかなと思うのですが、フォーマルなお洋服って出番も少ないし。

それで、このサロン(Allons-y)を作ることを決めたのです。必要なときにシェアできたらいいし、私の好きなものだけ並べればいいし、と。オープンして1年半位になりますが、リピートしてくださるお客様も多く、私の方も皆さんからエネルギーをいただくような感じです。

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サロンで直接お客様のお話を伺って、私の提案がすっとハマると、お客様の満足感がまったく違うのを実感します。普段着ない色や形、素材を試してみたら良かったと思ってもらえて、ワードローブにちょっと取り入れてみようと思えたり。皆さんに新たな発見があってとても楽しいです。

例えばトレンドの「ジレ」も、とても便利なアイテムなのに実際に使いこなせている人って意外と少ない。カッコつけたい人が着ているものでは?とか(笑)、オシャレな人しか着られないと思っていましたとか。でも決してそうではなく、簡単に楽しめるもの。そういうことを、このサロンで伝えていきたいです。

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ちなみにフランス語のサロン名「Allons-y(アロンジィ)」は、英語いうところの“レッツゴー”。ここでおしゃれをして、さあ、行こう!っていう気持ちになってもらえたら。「-(ハイフン)」は目的があるという意味があるようなので、結婚式やお食事などの予定に応じておしゃれして出かけましょう、という意味。

あとは「Allons-y」の下に「BEYOND STYLING」と入っているのですが、おしゃれなもうちょっと向こう側も伝えたいと思っていて。おしゃれって洋服の力でもあるんですが、人の心も変えていく。トレンドよりももっと奥深くにあるおしゃれの楽しみ方を伝えたい、そんな気持ちを表現しています。

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2. 今後の展望を教えてください。

サロンでのレンタルサービス以外に、コーディネートアドバイスもできればと考えています。お客様ご自身の洋服を持ってきてもらって、サロンのアイテムとコーディネートしたり。この場所を使って何ができるかということを常に考えていて、どんどん広げていきたいと思います。お友達と一緒にいらしていただくとか、シーズンの初めに流行りを取り入れながら何を買ったらいいかアドバイスするとか。

店舗を増やすことは全然考えていません。それよりは、このサロンの規模を大きくしたい。洋服のバリエーションをどんどん増やして、ラインナップの鮮度を保ち、リピーターの方たちがより満足していただけるようにしたいです。

それから本当に便利だよね!みたいなアイテムは製品化していく可能性も考えています。サイズ展開をとにかく幅広く準備するとか。でもあくまでもここでは売るのではなくレンタルで、と考えています。

スタイリスト/望月律子/RITUKO MOCHIZUKI/もちづきりつこ/モチヅキリツコ/Allonsy/アロンジィ3. メインのお仕事以外にもやってみたい事はありますか?また最近ハマっていること(マイブーム)や好きなこと、気になっていること、自慢したいことなど教えてください。

今はまだ本格的にやっているわけではないですが、書道に興味があります。私はチクチク縫うとか、無心になれることを、誰もいない無音なところでするのが好きなんですよね。もう少しお仕事が落ち着いたら、ちゃんと始めたいと思います。

4. 大切な時間や大切なもの

完全に仕事を忘れる時間が大切です。いつでも働けてしまうぶん、完全にオフにすることに抵抗があった。働けるなら働きたいし、長期の休みが欲しいわけでもない。単に仕事が楽しいっていうのも、もちろんあったんですけど。

今はサロンもやって、スタイリストの仕事も雑誌だけじゃなくて、ウェブやカタログ、広告など、その時々で違う脳みそを使うようになったからか、1日でもいいから全く何も考えない時間をつくりたいという気持ちが強くなっていますね。脳を1回リセットするそんな時間に、美味しいものを食べて、好きなお酒が飲めたらいいですね!

スタイリスト/望月律子/RITUKO MOCHIZUKI/もちづきりつこ/モチヅキリツコ/Allonsy/アロンジィ5. どんな(20代から)30歳を迎えたいですか?またはどんな想像をしていますか?

私の30歳はもうまったく想像とは違っていました(笑)! 20代半ばでスタイリストになってから、わたしいつも節目の年にモヤモヤ期があるんです。30歳とか40歳とか、そういうタイミングでいつもモヤモヤするの(笑)。スタイリストという仕事は、自分の年齢ともに関わる仕事や内容も変わっていく必要があると思っていて、特に私は自分の感覚とともに変化していかないと自分の良さが発揮できないタイプなのだと思います。

ちょうど雑誌『Oggi』に営業に行ったのが30歳のころ。仕事の実績を集めたブックを作って、それこそいろいろなツテも使って、何とか入り込めた感じ。本当は結婚したかったのだけど、できなかった。それを仕事のせいにしちゃだめなんですけど、でもやっぱりとても忙しかった。自分のイメージとは異なり、結婚もできず、出会いもなく(笑)。
その後、40歳でもまたモヤモヤ期があったのですが(笑)、その頃に旦那さんと出会って結婚しました。今思えば、ちょっと心の余裕があったんだと思います。

このサロンを作ろうと思ったのも、体力や気力みたいなことも含めて、30代のころのように体も気持ちも目一杯使って働くのはもう無理かなと感じたタイミングでした。働き方のペースを整えるという意味でも、違う形を見つけていかなければと。自由業なのでやろうと思えば休みなく土日も全部働けるし、もしかしたら来月仕事がないかもしれない。いつも曖昧な中で働いているので、つい働きすぎてしまったりもして。

だからもっと自分が純粋に楽しめることをしていきたいと思って、それがこのサロンなんだと思います。スタイリストとしての仕事の捉え方もちょっと変わってきていて、今はサロンを知ってもらうことがすごく大事。今までやったことがなかったような仕事も、サロンに繋がることはやってみようと。モチベーションが変わったんですよね。


RED CARD TOKYO (レッドカードトーキョー)のオフィシャルサイトで公開中のスペシャルコンテンツは、こちらからご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
RED CARD TOKYO Special Contents【30 stories of New Authentic Denim Vol.5-2

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MIHO HOTTA

エディター

instagram : @mihohotta_editor

ファッションエディター。雑誌「eclat」「Marisol」「BAILA」などで活躍中。アパレルブランドの商品開発にも携わる。「mi-mollet」での連載コラムも人気。