ストウブ セラミック レクタンギュラーディッシュ20
ストウブというとシックな色合いのホーローの鍋を思い浮かべる方がたくさんいらっしゃると思いますが、今月、ご紹介するのは鍋ではなく、セラミックシリーズのレクタンギュラーディッシュ。
鍋のように直火にはかけられませんが、オーブンや電子レンジ、そして冷凍庫での保存が可能なクックウエアです。さまざまなサイズがありますが、私が愛用しているのは20㎝のもの。大き過ぎず、小さすぎず、ちょうど2~3人分の料理やデザートを作るのに使い勝手がいい。
イメージからするとオーブン料理は寒い時期限定と思われるかもしれませんが、我が家では一年中、欠かせないもの。グラタンやラザーニアなどのとろとろ熱々のものだけでなく、開いたイワシにパセリやタイム、にんにくなどを混ぜ込んだハーブパン粉を振りかけて焼いたものや下味を付けた鶏のささみに小麦粉をはたいてから溶き卵にくぐらせて、表面に焼き色をつけてたっぷりのバターとともにオーブンでふっくら仕上げるささみバターなど、オーブン任せの一品を作るときにはとても重宝します。
適度に深さがあるのがとにかく便利、オーブンから取り出して、そのまま食卓へ。ストウブならではの深みのあるブルーと温もりのあるフォルム、お馴染みのロゴが簡単なメニューもビストロ風に見せてくれるのがなんとも頼もしいのです。中まで火が通っているか心配になってしまうハンバーグもフライパンで表面を焼いてこのグラタン皿に移してオーブンで仕上げればなかまでふっくら。焼き過ぎて表面を焦がしてしまうこともありません。
オリーブオイルをからませたにんじんやズッキーニ、とうもろこし、新じゃがなどを並べてオーブンに放り込んでおけば甘味と旨みがぎゅっと濃縮したロースト野菜が完成するので付け合わせにぴったりです。オーブンというとめんどうくささが先に立つかもしれませんが、コンロと同時に使えば、時短にもなるし、優秀なアシスタントになってくれるはず。
料理だけでなく、デザートも。毎年、アメリカンチェリーがスーパーの店頭に並び始めるこの時期になると作るのが甘酸っぱいクラフティ。フルーツに卵液をかけてオーブンで焼く素朴なスイーツです。さまざまなレシピがありますが、私が作るのはサクランボのリキュール、キルシュの香るサワークリーム入りのちょっとリッチな味わいのもの。つやつやのアメリカンチェリーの種を取り除き、バターを薄く塗ってグラニュー糖を振ったグラタン皿に並べたら、卵液を流してオーブンへ。
焼きたての熱々も美味しいけれど、今の時期には冷ましてから粉糖をふっておめかしして。チェリーの甘酸っぱさとプリンのような卵生地のまろやかさが相まってなんともいえない優しい味わいです。アメリカンチェリー以外に、ブルーベリーやあんずなどで作っても。
オーブンを使わないティラミスやレアチーズケーキ、スコップケーキなどもこの5㎝ほどの深さがぴったりです。ひとつあると幅広く使えるストウブの20㎝のこのグラタン皿、ぜひキッチンのラインナップに加えてみてください。きっとその便利さを実感していただけると思います。
アメリカンチェリーのクラフティ(20×16㎝)
〈材料〉
薄力粉 30g
サワークリーム 30g
卵黄 1個
卵 2個
グラニュー糖 60g
生クリーム 150ml
牛乳 100ml
バニラエッセンス 少々
アメリカンチェリー 180g(種なしで正味140~150g)
キルシュ 大さじ1
バター 少々
粉糖 少々
作り方
1 ボウルにサワークリームを入れ、卵黄を加えて泡立て器でよく混ぜ、卵を割り入れ、グラニュー糖を加えてさらによくすり混ぜる。
2 1にふるった薄力粉を加えて混ぜ、生クリーム、牛乳、バニラエッセンスを加えて混ぜ合わせる。
3 アメリカンチェリーは種を取り除いてキルシュをからめておく。
4 耐熱容器にバターを塗り、グラニュー糖(分量外)をふり、3のチェリーを入れ、2の生地を流し入れ、180℃に予熱したオーブンで30分焼く。冷ましてから粉糖をふる。
商品情報
レクタンギュラーディッシュ
ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン株式会社
ariko
エディター / ライター
「CLASSY.」「VERY」などファッション誌の表紙などを担当するエディター、ライター。インスタグラムに投稿するセンスあふれる料理写真や食いしん坊記録で話題に。Instagramのフォロワーは20万人越え。著書に「arikoの食卓」シリーズ(ワニブックス)、「arikoのパン」(主婦の友社)「ありこんだて」(光文社)「おいしいルーティン」(講談社)「arikoの家和食」(講談社)に続いて、7月7日にはお菓子の本「arikoの喫茶室」がマガジンハウスから発売中。