照宝 「せいろ」
2021年が始まりました。いろいろと心配は尽きませんが、なにはともあれ、一年の始まり、穏やかに過ごせますように、そして今年もよろしくお願いいたします。
今年は例年に比べて寒さが厳しいような気がします。このところ、暖冬が続いていたので、凍えるような今年の寒さは身体に堪えます。そんな時にうれしいのがほかほかの中華まんじゅう。熱々に蒸し上がったところを両手で包むようにかぶりつくとお腹も心もほっこりと温まります。今回ご紹介するのは蒸し物を一手に引き受けてくれるせいろです。
冷凍の中華まんじゅうを温めるのは電子レンジという方も多いと思いますが、湯気を上げるせいろで蒸し上げたものはふっくらと柔らかく、みずみずしいのが特徴です。我が家には電子レンジがないので、冷凍のごはんや点心を温めたり、野菜類を蒸したりとなにかとせいろに頼ってしまいます。
なんでも蒸してしまいますが、なかでもおすすめは硬くなったパン。湯気で柔らかくなったパンは中華の花巻きのようにむっちりとして、そこに冷たいバターを付けて食べれば病みつきになること間違いなしです。もちろん、温め直すためだけではなく、自家製のシュウマイや大鉢で作る茶碗蒸し、中華風の蒸し魚など、我が家で人気の蒸しもの料理にも欠かせません。
せいろの使い方はとても簡単。鍋に湯を沸かしてせいろをぽんとのせ、中に温めるものを入れておくと、他のことをしているうちにあっという間に蒸しあがっているという塩梅。それにせいろから上がる湯気でキッチンが温まり、加湿器のようにしっとりと空気がゆるみ、呼吸や乾燥しがちな肌が楽になるのです。
我が家で愛用しているのは横浜中華街にある照宝のもの。杉、竹、白木、ひのきがありますが、どれもひとつずつ手作りされているのでとても丈夫で使い込むほどに味わいが出るのが魅力。どれにしようか迷ってしまうので、私は竹、白木、ひのきをと使い比べてみています。それから照宝のせいろには嬉しい工夫が。
蒸し板と呼ばれるアルミ製の板が用意されているのでせいろのサイズにぴったりの鍋がなくてもその蒸し板を鍋のあいだにかませることで上手に活用することができるのです。サイズによって使い勝手が違うので、我が家ではひとり用の15㎝から2~3人用の21㎝、大皿ごと蒸せる27㎝のものとサイズ違いで揃えています。なかでも15㎝と21㎝は同じものをふたつ揃えておくと重ねて使えるのでとても便利です。蒸したてをそのまま出せて熱々を楽しめるせいろは我が家の食卓に欠かせません。
今回のレシピはこのせいろを使った中華風の「椎茸の海老蒸し」をご紹介します。寒い時期にうれしい熱々の蒸しものです。
椎茸の海老蒸し(椎茸6個分)
〈材料〉
生椎茸(軸を取る) 6枚
むき海老 150g
はんぺん 70g
長ねぎ 10㎝
生姜 1/2かけ分
酒 大さじ1
塩 少々
片栗粉 小さじ1/2
パクチー 適量
タレ
ポン酢 適量
ラー油 適量
〈作り方〉
1.むき海老とはんぺんをフードプロセッサーに入れて滑らかなすり身状にする。フードプロセッサーがなければ包丁でたたいてもよい。
2.長ねぎはみじん切りに、しょうがはすりおろす。
3.ボウルに2、3、酒、塩、片栗粉を入れてよく練り、6等分にする。
4.椎茸は石づきを取って、かさの内側に片栗粉(分量外)をふり、3を詰めて形を整える。
5.せいろに入る耐熱のうつわに4を並べてふたをし、沸騰した湯の入った鍋にのせて7~8分蒸す。蒸し上がりにパクチーをのせ、ポン酢にラー油を加えたタレを添える。ラー油の代わりにラブパクチーソースでも美味しい。
商品情報
照宝「せいろ」
株式会社SHINE TREASURE
ariko
エディター / ライター
「CLASSY.」「VERY」などファッション誌の表紙などを担当するエディター、ライター。インスタグラムに投稿するセンスあふれる料理写真や食いしん坊記録で話題に。Instagramのフォロワーは20万人越え。著書に「arikoの食卓」シリーズ(ワニブックス)、「arikoのパン」(主婦の友社)「ありこんだて」(光文社)「おいしいルーティン」(講談社)「arikoの家和食」(講談社)に続いて、7月7日にはお菓子の本「arikoの喫茶室」がマガジンハウスから発売中。