実は奥深い!デニムのディティールについて
みなさん、明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、2021年1発目の記事で取り上げるのは、“デニムのディティールについて”です。
意外と知られていないディティールの名称や本来の用途からデニムの歴史が見えてくるので、やっぱりデニムは奥深くて魅力的だなあとしみじみ思うのです。
2020年秋冬シーズンに発売されていたこのVintage Straightは、1950年代前後のデニムからインスパイアされたRED CARDの原点ともいえるモデル。デニム本来のヴィンテージ感が再現されたこのモデルには、RED CARDならではのこだわりのディティールが随所にちりばめられているんです。
まず注目してほしいのは、ウエスト部分に付けられたベルトのようなもの。
これはシンチバック(日本語では尾錠)といって、まだベルトが普及していなかった時代に、デニムのウエストを締めるために使われていました。ですが、今ではウエスト調整としての機能はなくなり、RED CARDのVintage Straightに付けらているシンチバックもただの飾りとなっています。
本来のシンチバックには2本の針が付いていて、その針を生地に直接刺してウエストを調整していました。
しかし、針が突き出ている仕様は安全性に欠けてしまうということもあり、昔のシンチバックを再現して販売するのが難しくなったというわけです。
そしてもう一つ着目していただきたいのが、ポケットの端っこに付いている金属のパーツ。
これはリベットといい、力がかかって切れやすい部分を補強する役目があります。実はこのリベットにもRED CARDの特徴が表れているのです。
現在多く見るリベットは、裏から貫通させた金具の芯を上から蓋のように被せているタイプのものがほとんどです。その一方で、RED CARDは打ち抜きタイプ(もしくは貫通タイプ)と呼ばれるリベットを使っています。
打ち抜きタイプは裏から貫通させた金具がそのまま表に出ている構造で、真ん中から生地の一部がフサフサと飛び出ているのが特徴です。昔はこちらのほうが主流だったため、本格的なヴィンテージデニムを表現するRED CARDではこの形状のリベットを採用しているんです。
ちなみにupper hightsは打ち抜きタイプではなく、現在主流となっているリベットタイプを使用。
また、よりクリーンな雰囲気に仕上げるため、ボタン含めてリベットもシルバーに統一しています。細かい部分ではありますが、こういったディティールが違うだけでもかなり印象が変わりますよね!
いつもとは違う目線からデニムを見てみるのも、新しい発見があって面白いですね。
今年のPre Springシーズンでも新しくアップデートしたVintage Straightが登場しておりますので、ぜひ一度お手に取ってみてください!
DENIM MEISTER
デニムマイスター
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