BRAND HISTORY
Vol.9「MOON」 マーティン＆
フレデリック氏

「RED CARD」、「upper hights」、「Healthy Denim」。３つの人気デニムブランドの“顔”ともいえるシーズンビジュアルを手掛けているエージェント「MOON」。毎シーズン、目を奪われる印象的なビジュアルを手掛ける彼らとは一体どんな方たちなのだろう？　撮影のために来日中だった「MOON」のフレデリックとマーティンにインタビューしてきました。

クリエイティブとビジネスの両面からブランドを育てるのが「MOON」

マーティン「『MOON』を始める前は、Acne Studioで10年働いていました。リテール、コンセプトディベロップメントをはじめ、最後はインターナショナルホールセールとして、東京、パリ、ニューヨークなど世界中を飛び回っていましたね」

フレデリック「僕はジャーナリストとして、雑誌でインタビュー記事を手掛けていました。Acne Studio創設者のジョニー・ヨハンソン、建築家の安藤忠雄、アンダーカバーの高橋盾への取材は今も鮮明に覚えています。それ以外にもたくさんの方に出会う中で、ビジネスやクリエイティブというものについて学んだような気がします」

マーティン「『MOON』を立ち上げたのは2013年1月のこと。ビジネスとクリエイティブの両輪がないとブランドや企業の成長がないことを経験上知っていたからこそ、僕の“ビジネス脳”とフレデリックの“クリエイティブ脳”を融合させたら、他にはないエージェントになると思ったから」

フレデリック「ちなみに『MOON』という名前をつけたのは、シンプルでありながらパワーを秘めている言葉だから。あと大きくなるブランドや会社の名前はAcneにしてもIKEAにしてもだいたいシンプル。あとMOON（月）は満月になったり半月になったり変幻自在で、それもいいなと思ったんです(笑)」

東京で撮影された「RED CARD」、「upper hights」、「Healthy DENIM」のビジュアルに込められた思いとは？

マーティン「今回の3ブランドのビジュアルに共通しているのは、東京ブランドを“ヨーロッパ”というフィルターを通し、グローバルなブランドイメージに仕立てたということ。『Healthy DENIM』はとにかくシンプルで繊細に。これから歴史を作っていくブランドなので、強い主張があるビジュアルよりも、イメージの基盤作りやブランドを熟成させていく工程の第一歩ということを意識しました」

フレデリック「『RED CARD』は僕たちもデニムブランドとして特別な愛着をもっているし、アイデンティティもしっかりとしているから、素直にデニムを表現したいと思いました。デニムはミュージックカルチャーと密接に関わっているので、ワールドツアーで来日したロックバンドのライブ前後のオフの時間をビジュアルにしました」

マーティン「『upper hights』のビジュアルは、これまでヨーロッパテイストを全面に押し出してきましたが、今回はブランドのバックグラウンドといえる“東京”に立ち返ろうと思ったんです。東京は今、オリンピックを控え、世界中が東京に注目している都市。ビジュアルには東京にしかない建築やモノが表現されています」

フレデリック「どのブランドも、手に取ってくれる人たちに、そのデニムが持つ空気感や時代感が伝わるビジュアルにしたいと思って作ったもの。ぜひデニムとともにビジュアルも楽しんでもらえたらいいですね」

Q１　子供の頃のお気に入りのコーディネートは？
マーティン「４～６歳頃は白シャツにブラックのドレスパンツばかり。当時、くりくりのパーマ頭のくしゃくしゃだったからキレイな服を着ていたのかも(笑)」

フレデリック「僕は小さいときからフットボールをやっていたので、機能的なスポーツウェアばかりだったかな」

Q2　リフレッシュできる場所や時間とは？
マーティン「最近だとローマ。この前初めて行ったのですが、虜になりました」

フレデリック「インドネシアでハイキングしているとき。ノルウェーや富士山もいいかな～！フレッシュな空気を吸うのは幸せですね」

Q3昨日のお昼は何を食べましたか？
マーティン＆フレデリック「昨日は撮影で食べてない(笑)。一昨日は原宿へ餃子に食べに行きました。僕たちは基本的にベジタリアンなんですが、そのときばかりは気にせずに食べちゃいました(笑)。餃子とビール、きゅうりと味噌付けが最高！」

Q４ いつも必ず持ち歩いているものは？
マーティン「ウエスタンブーツ。今日はあいにく来日前に足を痛めてしまってスニーカーだけどね（苦笑）」

フレデリック「キャップ。携帯、PC、NEW YOKER MAGAZINE、何かしらの本は持ち歩いています。漫画じゃないよ(笑)」

Q５ ファッション以外で最近買ってよかったものは？
マーティン＆フレデリック「もちろん本だよ！！！　今朝もネットで30冊以上ポチっとしてしまったよ。明日も蔦屋書店に買いに行こうと思っています。大半がフォトブック。本は僕たちに知恵やアイデアとなるヒントを与えてくれるものだから」