SPECIAL INTERVIEW GUEST : Komota Ayano
「RED CARD TOKYO」のオフィシャルサイトで公開中(全10回連載予定)のスペシャルコンテンツ「30 stories of New Authentic Denim」に出演されている方々にインタビューしました。
1. いまのお仕事をすることになったきっかけを教えてください。
学生時代はファッション系の大学に通っていました。洋服をつくる工程、たとえばパターンを引くなど専門的な技術のみにフォーカスして学ぶのではなく、社会学やマーケティング、店舗の作り方など、総括的に学ぶコースを選択していました。それと並行して、ファッション誌でモデルとしても活動していました。
ちょうど大学を卒業する頃に友人がプロデューサーとしてブランドを立ち上げることになり、オープニングから一緒に携わりました。そこで接客の仕方やアパレル現場の基礎を育てて頂きました。
その後20代半ばで結婚と出産をし、2児の母になりました。その後、また別のファッションブランドとのご縁がありショップスタッフとして携わっていました。まだ当時は子供も小さかったので時短で働いていたのですが、お子さんがいるスタッフが多く、働きやすい環境でとてもありがたかったですね。
そして2019年、洋服の生産などに精通している友人と、自分でブランドをやったら面白いよね?という話になり、スタートしたのが「mact(マクト)」。ノルウェー語のパワー(力)を意味することば「makt」に由来しています。今年で4年目になりますが、オリジナルのほかに、ブランドとのコラボレーションなども行っています。
2. 今後の展望を教えてください。
洋服に関わる仕事は継続してやっていたいのと、今の会社やブランドを大きくしたいという思いはあります。またファッションだけではなく、他ジャンルの仕事もやれる人でありたいとも考えています。ですので、今はご縁があったお仕事は、1回はやってみようというスタンスです。
そこからどう繋がっていくかはわからないので、これまで経験していないことにも積極的にトライしたいです。最近では、今年ローンチ予定の美容液の開発に携わっています。ファッション以外では、初めてのお仕事になりますね。
ブランドディレクター/デザイナー
古茂田綾乃さん @ayanoiwamura
アパレルブランドでの経験をいかし、2019年秋冬から自身が手掛けるブランド「mact(マクト)」をスタートさせる。他ブランドとのコラボレーションラインも人気となっている。
Jeans :
RED CARD TOKYO
30th Anniversary HR #akira-Deep Dark
3. メインのお仕事以外にもやってみたい事はありますか?また最近ハマっていること(マイブーム)や好きなこと、気になっていること、自慢したいことなど教えてください。
ずっと興味があるのは“食”。祖父母が畑をやっていて、無農薬の野菜を定期的に送ってきてくれるんです。自分が幼い頃は無農薬の良さなどまったく理解していなかったのですが、自分が母親になってそのことの大事さ、無農薬野菜の生命力の強さや栄養素の高さがよく理解できますし、とてもありがたく感謝しています。
料理するのも好きで、子供のためにもいろいろなものを作ったりしています。それも祖父母の影響が大きいんですよね。遊びに行くと、例えば手作りのうどんやお蕎麦を食べさせてくれるんです。今の時代なら簡単に買えてしまうけれど、その“楽さ”をあえて選ばない。
そういう環境で育ったので、味噌や醤油などの調味料を手作りしたり、植物や野菜を育てる畑仕事などもいずれやりたいです。まだまだ先の、未来の展望ですけど。
あとはゴミをなるべく出さない。過剰包装を極力減らすことも気をつけています。農家さんと直接つながるアプリがあるんですが、無農薬の野菜を新聞紙にくるんだだけのシンプルな包装で送ってもらったり。そういうものも活用して、できることから少しずつ取り入れたりしています。
4. 大切な時間や大切なもの
大切なのはやはり、子どもたちとの時間です。
平日も仕事が終われば子供ファースト。一人親なので仕事はリモートに切り替えたり、なるべく帰宅時間に合わせてお家にいてあげられるようにしています。宿題を見たり習い事に連れて行ったり、仕事をしていても限られた時間の中で、いかに子供たちが寂しくなくコミュニケーションを取っていけるかを一番に考えながら過ごすようにしています。そんな想いもあって時間の融通がきく、自分でやる仕事を選択したというのもありますね。
休日には子供たちが行きたい場所に遊びにいくなど、一緒に楽しめるように工夫たり、どんなに忙しくても、ご飯は一緒に食べることも大切にしています。
週末に仕事があるときには子供も一緒に仕事場に連れて行ったりするので、母親がどんな仕事をしているかはわかっていると思いますね。
Jeans :
RED CARD TOKYO
30th Anniversary HR #akira-Fine-Mid
5. どんな(20代から)30歳を迎えたいですか?またはどんな想像をしていますか?
当時は30歳って今よりもっと精神的にも落ち着いた大人のイメージを持っていました。でも実際に30歳を迎えた時は、あれ?もう30歳って言っていいんですか?ぐらい何かが特別大人になったという感覚はあまり感じませんでした。
振り返ってみると、20代後半のときは30歳になる前に何かやらなければ!と、年齢に対してとても焦っていましたね。ちょうどブランドを立ち上げたのもそのぐらいの時期で、環境を変えようと必死でした。仕事の面でも爪あとを残さなきゃ、みたいな感じで自分を追い込む事が多かった。
でも30歳を迎えてからは、精神的にも余裕が持てるようになりました。良い意味で焦らなくなったし、他人と自分を比べなくもなった。ようやく自分自身のこともつかめてきたというか、自分の性格を把握して、楽しいことや好きなことを選択しながら上手に自分を扱えるようになってきたと思います。その部分は20代との大きな違いかなと。
30歳を過ぎた今は、1年1年があっという間で、こんな感じで40歳もすぐに迎えるのかなと思ったりもしてワクワクしています。これからも単に落ち着いてしまうのではなく、心地よくアンテナを張りながらアクティブに動いていきたいですね。
RED CARD TOKYO (レッドカードトーキョー)のオフィシャルサイトで公開中のスペシャルコンテンツは、こちらからご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
RED CARD TOKYO Special Contents【30 stories of New Authentic Denim Vol.5-3】
MIHO HOTTA
エディター
ファッションエディター。雑誌「eclat」「Marisol」「BAILA」などで活躍中。アパレルブランドの商品開発にも携わる。「mi-mollet」での連載コラムも人気。