【連載ウォッチング・ウォッチ〜だから、時計も服も好き。】

徒然なるままに、時計とファッションについて記していく新企画。手持ちのものから新作まで気になった時計をファッション目線から紹介していこうかと思います。

で、キミ、誰やねんと。

レディスファッション界の多士済々が居並ぶ本コンテンツのなかで、メンズ枠で選出されたのは、編集・執筆を生業とする高村将司と申します。
「メンズクラブ」「オーシャンズ」といったメンズ誌の編集を経て、足掛け20年余りこの業界の末席にて仕事をしています。以後、お見知り置きを。

ファッションと時計。
近いようで遠いこの両者。過去、スナップ企画で合計500人くらいは服好きに接してきた身としては、体感で、以下の表のような感じ（汚くてすみません）。

腕時計をしていない人や、無頓着な人、アップル ウォッチの人など、さまざまです。特に高級時計は、文字通り高額でそうそう何本も所有できるわけではないので、限られたお金というリソースをどこに割くかが、大きな分かれ目となるでしょう。
かく言う私も、めちゃくちゃなコレクターというわけではないのですが。「時計好きである」ということは声を大にして言えると自負はしています。

今主力にしている７本の時計。これらはおいおい本連載で紹介したいと思います。

今回、その魅力を伝えたいのは、スウォッチとオメガがコラボレーションした時計、「ムーンスウォッチ」です。
今年の3月、スウォッチの直営店でのみ販売されるとアナウンスされ、日本全国の「転売ヤー」が集い、混乱し、結局後日、オンラインでの抽選販売となったことが報道され、ご存じの人もいるかもしれません。

時計好きにとってはエラい話だったんです。

さすがにファッション好きならば、20年ほど前に一度は憧れたことはあるかもしれない、「ムーンウォッチ」こと、オメガのスピードマスター。この名作時計とスウォッチがコラボレーションしたわけですからね。時計×ファッションといったコラボならば枚挙にいとまないですが、掟破りの時計×時計コラボ。
これは、オメガとスウォッチがグループ企業内だからこそ達成できた、いわば「グループシナジー」ってやつでしょう。

ケース形状はまごうことなき、スピードマスターのそれ。そして、ケース素材はスウォッチが近年、大プッシュしている生分解性プラスチックで仕上げられている。中身のクオーツムーブメントもスウォッチ謹製。

つまり、本格的なスピードマスターの皮を被ったスウォッチなんです。
現在、オメガのフラッグシップである「スピードマスター プロフェッショナル」は、100万円くらいなので、3万3550円で、その雰囲気を味わえるだけでもすごい。

というわけで、転売ヤーも魅了したわけなんですね。一時期は、ウン十万で転売されていたこともあるんですが、善良なみなさんは手を出さないように。今は、入荷も安定して、スウォッチのショップ（渋谷・原宿・心斎橋）を訪ねて、在庫があれば買えるようです。
このコラボレーションは、水金地火木土天冥海の太陽系各惑星に加えて、太陽と月を加えた11種類のモデルを展開していて、そのどれもがいい感じに仕上がっております。

縁あって私が購入したのは、「ムーンスウォッチ ミッション トゥサターン」というモデル。つまり土星バージョンですね。ダイヤルの土星が可愛いんです。もちろん輪っか付きで。

ケースカラーはベージュ。写真では若干青みがかかってしまいました。このアーシーなペールトーンの感じが、ファッション的にも非常にグッド。
最近のお気に入りは、ダメージデニムに、ペールトーンのスウェット。この腕元に「ムーンスウォッチ サターン」をオン。時計が悪目立ちせずにコーデによく馴染みますね。

チノやコーデュロイなどのパンツにもトーンが合うし、トップスにに淡い色味のニットを合わせたりしても面白いかも。
茶色のベルトはナイロン製ですが、革ものとの相性もよろしいので、ここに、茶のローファーやサンドベージュのヴァンズなんかを合わせてもOK。

こんな感じでゆるりと時計とファッションの魅力を語っていこうかと思ってます！

■今月の時計

スウォッチ

ムーンスウォッチ ミッション トゥ サターン

バイオセラミックスケース、42㎜径、クォーツ

3万3550円