待ってました♡の 大人のフーディは少し女度高めで
フーディ、ある時から似合わなくなったのよね(涙)。確かあれは……(遠い目)、30代半ばだったかな。アメリカの高校に通っていた時には、本気のスクールユニフォームとして。その後ラクロスの練習の往復や、子育て時代は、自分の支度10分で終わらせて出かけた「仕事服」としても。
そう、こんなふうに仲良しの相棒だって、いつか距離ができてしまうこともあるんですね。
というわけで、アスレジャーが全世界的に流行し、私も完全な大人になって、1周回ったのかしら。今また、フーディがクローゼットに復活。ただし、素材、色、デザイン、そして着こなし方は10代とも30代とも違います。
まず選び方。以前愛用していた杢グレーは絶対にNG。「婦人のスポーツ着」、もしくは「息子か夫のトレーナーのおさがりを着ている」風になってしまいます。ソリッド(単色)、かつ、黒や白など、モードに着こなせる色が良いでしょう。そして、コットン系のマットな素材ではなく、少し光沢のあるタイプがベター。
STATE OF MINDの1着のように、素材にふっくらと厚みがあり、着用した時に構築的なシルエットを作ってくれるものなら、ベストです。横から見たときのフードの立ち上がり、身体につかず離れずのスクエアなシルエットも、大人に似合う条件かもしれません、と、実際に着てみて思いました(笑)!
そしてスタイリングですが、どこかに「女っぽさ」をプラスすることがマスト。例えばハイヒール、例えば大き目のピアス。例えば揺れるスカート、真っ赤な口紅など。
そうすることで、フーディが「スポーツ着」でもなく「家族のおさがり」でもなく。スポーティさと軽やかさ。ストリート感を取り入れた大人のコーディネートになるのだと思うのです。
以前仲良し、時々けんか。また仲良しに――そんなおしゃれの出会いも面白いものです。
NAOKO OKUSA
スタイリスト
Instagram:Naoko Okusa_Official
1972年生まれ。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌「ヴァンテーヌ」の編集に携わったのち、独立。新聞、カタログを中心にスタイリング、エディトリアルをこなすかたわら、広告のディレクションやトークイベント出演、執筆業にも精力的に取り組む。プライベートでは3児の母。